野生時代 vol.8 (2004 7) (8)
『オール讀物7月号』
ミステリー最前線ということで鈴木光司、貫井徳郎、朱川湊人の3人がそれぞれ100枚前後の読み切り中編を掲載している。
日本推理作家協会賞の発表も紙面で実施、歌野晶午と綾辻行人との対談が面白そうだ。
掲載作家は他誌と比べて地味なような気がするのは気のせいだろうか。
『小説現代7月号』
こちらは次代を担う新実力派作家対談ということでご存知、伊坂幸太郎と新山本賞作家の熊谷達也との対談が実施されている。
どちらも仙台を拠点としている点が共通項である。
掲載は時代小説が中心となっている。
乙川優三朗・山本一力・浅田次郎など直木賞作家が勢ぞろいって感じだ。
『小説新潮7月号』
他誌と比べてかなり豪華に感じる。山本周五郎賞の特集として選評の他、受賞作家の競作が掲載、重松清の「新シリーズ きみの友だち」第1話がスタートしている。
あと初夏のショートストーリーズという特集もなかなかのもの。
女性作家では柴田よしき他、男性作家では大崎善生や池永陽他・・・
連載では知らなかったけど石田衣良が『眠れぬ真珠』というタイトルで連載中。
『小説すばる7月号』
どの雑誌も対談が花盛り。こちらは女性作家特集ということで篠田節子と桐野夏生のスペシャル対談が掲載。
いかにも集英社らしい。
掲載も若手も含めて女性陣が中心となっている。
「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した日向 蓬と豊島ミホの2人がそろって登場している。
『野生時代7月号』
今回は宮沢りえが表紙を飾る。コストパフォーマンスで言えば本誌が1番お買い得かもしれないな。
連載陣がバラエティに富んでいる。
諸田玲子が今月から連載開始。瀬尾まいこは来月号で登場するらしい。
『別冊文藝春秋7月号』
こちらは隔月発売。現在の文芸雑誌では1番豪華だと思う。
ただ、値段が高いのが厳しいかな。
掲載作家は本当に凄い。中山可穂の連載や浅倉卓哉の短篇を読めるのはこの雑誌ぐらいかもしれない。
『きらら7月号』
小学館から創刊された新しい雑誌だが、なんといっても書店での販売がないのが1番の特徴である。
年間送料込みで2000円。
掲載は恋愛が中心となっている。見たところ時代小説がないのが逆に売りかな。
片山恭一、市川拓司など当代きっての恋愛作家が筆を下ろしているのは興味深い。